「解体等費用積み立て」代替え案を考えてみた

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「解体等費用積み立て」の使い方を考えてみた

前回、「制度が想定外の事象によってアンダーコントロールになる」世界の一例を示しました。

「3E+S」というキーワードまでは良かったのですが、その後が頂けない状況になっていますね。

悪い奴らが太陽光パネルを放置・不法投棄するから、最初から処理費用を徴収しておこう。

という戦術論に「建前パウダー」を振りかけた形のものが現在の解体等費用積み立てです。

Sには幾分貢献するかもですが、3E全てに逆噴射してしまっています。

スジが悪いと思うのです。

じゃあ、お前はどうしたいんだよ?という方法を今回考えます。

「3E+S」の基本戦略をベースに考えると

「FITを使って作った国内発電リソースをなるべく温存することによりパネル破棄量を最低限にする。」

事がベースになると考えます。

パネル破棄タイミングは

 1.発電所の事業終了

 2.パネルの洗い替えによる更新(一部・全部)

 3.事故・災害などによるパネルの更新(全体)

4.事故・災害などによるパネルの更新(数枚~一部)

パネルの処分方法は

1.中古品として売却

2.リサイクル工程を経て再生品へ

 3.処分場で廃棄

このことから、こういう方法論が有効だと考えます。

1.FIT期間後に事業をやめる事業者に引き継ぎ手をつける方法を実施

2.中古品として売却しやすくなる方法を実施

3.リサイクル費用が低減する方法を実施

1.FIT期間後に事業をやめる事業者に引き継ぎ手をつける方法を実施

FIT20年終了した場合にその発電所を継続運用できる担い手を探すことができればパネルを捨てる必要すらありません。

償却の終わった設備が引き続きキャッシュフローを作り続けますし

そもそも再エネとしてリソースを残すことができます。

FIT終了後廃業を考えていた事業者

発電所の売却益でWIN

FIT終了後の発電所を引き継ぐ事業者

卒FITビジネスでWIN

この状況でもなお発電所を放置する事業者に関しては、

土地(所有権もしくは地上権)及び発電所設備を競売(のようなもの)にかけ、引継ぎを希望する事業者が発電所を引き継げるような仕組みを作ることが有効と考えます。

そうすれば事業者の数は減るかもですが、リソースは減りにくくなりますよね。

OCCTOに嫌々金管理してもらうより、官民でこういう管理機関にしたらいいのでは?と思います。

2.中古品として売却しやすくなる方法を実施

これは、現行の解体等積み立ての取り戻し条件に「売却」も加える事で実現できると思います。

全てをFIT/FIPの枠で考えると中古市場に意味はありませんが、卒FIT、noneFITは

十分パネルを活用できる可能性があります。

発展途上国に輸出してもよいと考えます。

ではなぜそんな案がでないか?

エネ庁や経産省の枠だけでは、競売・土地といった部分の解決が難しく旗が振れないということではないでしょうか。

他省庁との調整が必要な場合は今なら河野大臣がタスクフォースを率いて各省庁横串で解決を図って頂けるそうですから、積極的に依頼してほしいものです。

というわけで、本気で再エネ主力電源化に取り組まれるのであれば

これ以上FITリソースを減らさない方策にしてほしいと思います。

こんな感じでパブコメ出そうかな。