ソーラーパネルの「有害物質」を、AIと一緒に徹底的に調べてみた

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ソーラーパネルの「有害物質」を、AIと一緒に徹底的に調べてみた

最近、SNSやメディアで「ソーラーパネルは危険だ」「有害物質が含まれている」という言説をよく見かけます。太陽光発電事業を10基以上運営している立場として、こういう話を感情的に否定するのも、逆に軽く受け流すのも誠実じゃないと思い、今回はAIと一緒に、一次情報にあたりながら徹底的に調べてみることにしました。

結論から言うと、「有害物質は本当に含まれている」が「それを問題視するには、かなり無理のある論理」というのが着地点でした。何がどう無理なのか、一つずつ紐解いていきます。

まず結論:超完結版一覧表

物質 ① 何が入っている ② 実感できる比較 ③ 一言結論
電極のはんだに使用 自動車のバッテリー1個に鉛は約8〜13kg。そこらへんの野立て太陽光パネル1枚は理論上最大でも20g バッテリーの方が桁違いに多い。パネルだけ怖がる理由なし
ヒ素・アンチモン ガラスの清澄剤(クリアなガラスをつくる材料) 普通の食器・コップ・窓ガラスにも同じ技術が昔から使われている 液晶テレビやPCモニタも同じガラスを使っている
カドミウム化合物 一部の海外製パネル(CdTe系)にのみ使用 国内主流の結晶シリコン系・国産CIS系メーカーにはそもそも入っていない 国内で一般的なパネルを使っている人には関係ない話

インターネットを縦横断して、有害物質になりえる物質を3つ見つけました。これを順番に紐解きます。


① 鉛について

太陽電池のセルは、電極部分にはんだが使われており、そこに鉛が含まれることがあります。実害としては鉛中毒などの症状を引き起こす神経毒性物質で、これ自体は軽視できない話です。

鉛は電極と基板や部品をくっつけるはんだに含まれている場合があります。最近は鉛フリーといって鉛が入っていないはんだが使用されるケースが増えてきており、鉛自体が含まれていないケースも多々あるのですが、今回は鉛が使われているはんだ使用のパネルを想定して深掘りします。

パネル1枚あたりの正確な鉛のグラム数を示す公開データは見つかりませんでしたが、FITでソーラーパネルを認可する際の物質の開示義務基準値というものがあり、これが0.1wt%(製品全体の重さのうち、その物質の重さが1000分の1以下ならセーフ、という基準。たとえば10kgの製品なら10gまで、という考え方です)となっています。その最大値で計算すると、400Wのソーラーパネル1枚(重さ約20kg)の場合、上限は20g(20,000mg)となります。

それに対して、鉛が含まれる他の一般的な工業製品を見てみましょう。自動車の鉛蓄電池(バッテリー)1個には、鉛が約8〜13kg含まれています。これは電子機器のはんだ(グラム単位)とは桁が3〜4桁違います。「バッテリーの方が太陽光パネルより、よほど鉛を積んでいる」というのが実感値としての結論です。

もっと身近な例もあります。バカラやリーデルのような高級クリスタルグラスは、酸化鉛を24〜30%も含んでいます。普通サイズのワイングラス(200g程度)で計算すると、鉛の量は約44〜56g。これだけで、太陽光パネル1枚(400W、上限20g)の2倍以上です。

昼間は太陽光パネルを恐れてSNSに悪口を書き込みながら、夜はその太陽光パネル1枚分の2倍以上の鉛が入ったクリスタルワイングラスで、自分の口をつけて酒を飲んでいる。もうシュールを通り越して何と言いますか。皆で等しく貧乏であれと主張しながら、自分はタワマンで贅沢な食生活をしている人みたいな話です。

② ヒ素・アンチモンについて

パネルの表面を守るカバーガラスには、実はヒ素とアンチモンが微量含まれています。これは環境省の委託調査という公的なデータで確認できる事実です。「太陽光パネルにヒ素」と聞くと身構えますが、これはガラスを透明に仕上げるための「清澄剤」という、ガラス業界で昔から使われてきた添加剤の話です。気泡を抜いてクリアなガラスに仕上げるために使う、いわば製法上の必需品です。

環境省の調査によると、パネルのガラスには結晶シリコン系でヒ素が1〜65ppm(サンプルによる)、アンチモンが1,500〜2,600ppm含まれています。ppmというのは100万分の1の単位なので、感覚としては「ごく微量」です。実際に溶出試験(水に漏れ出すかどうかのテスト)をすると、全サンプルで検出限界未満でした。ガラスの中に固く閉じ込められていて、外に漏れ出す形にはなっていないということです。

このヒ素・アンチモン入りの清澄技術、実は太陽光パネルの専売特許ではありません。液晶テレビやパソコンのモニタに使われているガラス基板も、長らく同じヒ素系の清澄剤で作られてきました。大手ガラスメーカーが「ヒ素を使わないガラス」を開発したのは1992年で、それ以前は業界全体がこの技術を当たり前のように使っていたということです。

つまり、実家の押し入れに眠っている古いテレビや、今あなたがこの記事を読んでいるパソコンの画面も、太陽光パネルと同じ清澄技術で作られたガラスかもしれません。太陽光パネルにだけヒ素と聞いて青ざめて、自分の顔の30cm先にあるモニタには何の疑いも持たない。それが今の私たちの感覚だということです。

しかも太陽光パネルは屋外で雨風にさらされる前提で防水加工がされていますが、そのモニタには防水加工すらされていません。屋外に出して雨に当ててみたらどうなるか、想像するとちょっと怖くないですか。

③ カドミウム化合物について

3つの中で唯一、本当に注意が必要なのがカドミウムです。国際がん研究機関はカドミウムを発がん性が確実な物質に分類しており、日本の公害病「イタイイタイ病」の原因物質でもあります。ここは正直に、毒性は本物だと認めます。

ただし、このカドミウムが使われているのは、CdTe(テルル化カドミウム)という特殊な化合物系の薄膜パネルに限られます。代表的なメーカーはアメリカのファースト・ソーラー社ですが、この製品は日本国内でほとんど流通していません。実際に日本の認証制度を調べたところ、ファースト・ソーラー社は過去に認証を取得していた実績はあるものの、2017年から2019年にかけて自主的に取り下げていました。

国内で主流の結晶シリコン系パネルや、国産のCIS系薄膜パネルには、そもそもカドミウムは使われていません。日本のメーカーはむしろカドミウムを使わない方式を選んで作ってきたわけです。

「中国製パネルは危険だ」という言い方をよく見かけますが、カドミウムに関して言えば話が逆です。危険性が指摘されているCdTe系はアメリカ製で、国内でほぼ流通すらしていません。一方、国内メーカーは最初からカドミウムフリーの方式を選んでいます。批判の矛先が、実物とはまったく違う方向を向いているということです。


太陽光パネルには、確かに鉛もヒ素もアンチモンも入っています。でもそれは、あなたの車のバッテリーにも、あなたのワイングラスにも、あなたが今見ているパソコンの画面にも入っているものです。太陽光パネルだけを名指しで怖がる理由は、今回調べた限り見つかりませんでした。


補足・注意点

  • 鉛の20gという数値は、FITの開示義務基準値(0.1wt%)を上限として逆算した理論値であり、実測値ではありません。実際の含有量はこれより少ないか、鉛フリーはんだであればゼロの可能性もあります。パネル重量は400W品の一般的な目安(約20kg)で計算しています。
  • クリスタルグラスの鉛量は、酸化鉛(PbO)の重量を鉛(Pb)の実重量に換算(PbOの約93%がPb)した概算値です。
  • カドミウムを含む化合物系パネル(CdTe)は、破損・埋立時に一部で溶出基準を超えた実例も確認されており、「毒性がない」わけではありません。国内での流通量が少ないことが、リスクの低さの根拠です。
  • 太陽光パネルの廃棄・破損時の感電リスクは、有害物質とは別の論点であり、今回の記事では扱っていません。

参考にした一次情報

この記事は、AIを使ったファクトチェックの過程をもとに構成しています。誤りにお気づきの方はご指摘いただければ幸いです。

今後取り扱うテーマ(デマor事業者の取組課題?)

  • ソーラーパネルは危険・怖い・毒がある説 ★今回の記事のテーマ
  • 猛暑原因説
  • 崖崩れ・土砂災害誘発説(季節性:出水期)
  • 積雪で発電不能・危険説(季節性:冬)
  • フィット20年・大量廃棄時代説
  • 産廃としての扱い(処分場受け入れ・情報伝達の課題)
  • 廃棄パネルの有害物質(鉛・カドミウム等) ★今回の記事で一部深掘り済み
  • 中国製パネル・土地買収など安全保障懸念
  • 森林伐採・景観破壊批判
  • 火災時の感電リスクで消防が近づけない説
  • FIT賦課金で電気代が上がるという批判
  • 熊出没・獣害の原因説
  • 出力制御で発電しても捨てられている「無駄」批判
  • 訪問販売の虚偽勧誘(点検義務化・新築義務化の悪用トーク)
  • 補助金トラブル(出ると言われたのに出ない)
  • メガソーラー支援打ち切り・狙い撃ち批判(扱い注意)
  • 地元同意なし開発への反発