「発電側基本料金」の話

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総合エネルギー調査会 省エネルギー・新エネルギー分科会/電力・ガス事業分科会 再生可能エネルギー大量導入・次世代電力ネットワーク小委員会(第32回)

https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/denryoku_gas/saisei_kano/032.html

「発電側基本料金」の話でございます。

この話

・僻地だけじゃなく需要地に発電所を作りたくなるルールを作りたい

という話と

・今後再エネ大量導入のための系統の開発と既設系統の保全に誰が金出す?

という話をごちゃまぜにした上で

経済産業大臣に「ルール見直してちょ」と指摘されて

もう「ひっちゃかめっちゃか」な現状を何とかまとめてみました。

というお話。

まだまだ柔らかい状態ですが、ソーラーはこんな感じです。

0.発電側基本料金って制度はもう決めたからね!!

1.もともと言ってた1,800円/kW/年というのを

基本料金と発電量に応じた課金を1:1に分割するね。という話になりそう

2.FITの場合は基本料金の1/2相当を託送料の割引という形で

相殺して払わなくてもよい形にするね。

3.残りの1/2を「高単価」と「そうでない単価」ごとに

a.全額賦課金を使ってなしにする。

b.半額賦課金を使ってなしにする。

c.賦課金使わねーよ。

のどれかにしようぜー!!

という話になりつつあります。

「高単価」:「そうでない単価」=C:BもしくはB:Aかなー?

みたいな空気が流れて終了な感じです。

もともとの1800円/kW/年が

900円/kW/年 or 450円/kW/年 or 0円/kW/年ぐらいじゃね?

低圧1基で年間45,000円 or 22,500円 or 0円負担ぐらいのイメージ

ここに発電所のある場所が需要地だったらさらに割引があるかも

※細かくは基本+従量制部分の非定額制らしい。

詳しくは浜崎さんが纏めておられます。

https://solar-club.jp/member/hamasaki/%e7%99%ba%e9%9b%bb%e5%81%b4%e5%9f%ba%e6%9c%ac%e6%96%99%e9%87%91%e3%81%ae%e8%ad%b0%e8%ab%96%e3%81%8c%e9%80%b2%e3%82%93%e3%81%a7%e3%81%84%e3%82%8b%e3%81%ae%e3%81%8b%e3%81%84%e3%81%aa%e3%81%84%e3%81%ae/

会議室の内容

今回、松村委員と髙村委員の発言順番であったにもかかわらず

PCのモニターに一撃くれてやらんばかりの怒りが収まりません。

※松村委員:国民負担ガー!筆頭

※高村委員:事業者の事情を汲んでくれる代表

https://www.youtube.com/watch?v=BV2Qa2k5XGE

あの…

・僻地だけじゃなく需要地に発電所を作りたくなるルールを作りたい

という話と

・今後再エネ大量導入のための系統の開発と既設系統の保全に誰が金出す?

という話を混ぜてしまったがために

全く意味が分からなくなってしまっただけだと思いますけど。

誰が系統に金出す?

もともとの系統の費用って総括原価方式時代から

電気代に内包というか転嫁されていた訳で

時代が変わろうが、どうルールを複雑にしようが

最終的にお金を払う人が払う

訳で需要家が払いますよね(当たり前)

あとはその名目が電気代なのか賦課金なのか

違いはそれぐらいしかない。

発電側に原価を強いても結局買い手に転嫁するのだから

結局買い手に負担が行く仕組みなのだ。

その仕組みを複雑にすればするほど管理コストがかさむだけ。

いまだに「国民負担ガー」といいながら本質を外れたところで

「言ってやった感」を出している委員のオナニーショーはホント見るに堪えない。

今後の系統開発・保全を考えたら「目に見える負担増は不可避」

見積無料的な小細工で転嫁分をごまかすには額がでかすぎる。

これら事実を受け止めてドイツの後を追い電気代地獄を受け入れるか、

総理の宣言をシカトしてごまかせる範囲で系統を開発していくか

2択だと思うのに現実を直視してほしいものです。

需要地に発電所を作りたくなるルール

あのー、引っ越しすらできないFITという縛りプレイしているのに何なのこのルール?

既設FIT発電所については、全く意味のないルールをセットで持ってこられても

何のことやらだし、転嫁できない不思議ちゃん課金されても本当に困る。

ソーラーの用地については、現状負担金の大小でインセンティブというか、可否が決まる。

そこにどんどん新たなパラメータを付けたところで混乱が増すばかりな気がします。

本来やるなら、

 マスタープランに則すほど負担金が安い、逆に逆らいすぎると経済的に作れない。

という程度の分かりやすいルールにしなければ現場からの理解は得られないと思う。

そういえば僕らが払った負担金はどこに行ったの?

ルール変更するなら一旦戻してもらうか、相殺してくれないとね。

両方取るのはルール違反でしょ?

noneFITに対してはどうか?

現状どうやら1円/kWh徴収の0.5円/kWh割引という妙な仕組みになっていて

発電事業者は、残り0.5円を小売りに転嫁するか泣き寝入りするかの2択のようです。

このルールのこの先

このような意味不明の課金は最初少量で、

後からどんどん課金割合を上げてくるのがこの国の常套手段。

発言の中で、

「こんなことをすると国の信頼が揺らぎ、事後の投資が減速すると言う声が必ず聞かれるが、それはあらゆる既得権益者が利益保護のために言うセリフで、それによって投資が減速することを証明できない」

とか言われていますが、

僕は高単価発電所持ってないけど、こんなことやる人達のルール下で事業やるのはどんどんモチベーションさがるし、当然新規は怖くてまともにはできない。

これが本音

近いうちに系統開発費用がべらぼうなことが大問題としてクローズアップされる時が来る

今は各々が心地よく聞こえるフレーズだけ連呼するけれど

誰も引きたがらないババ抜きを延々やっているにすぎない。

オリンピックの惨状と同じじゃないかな。これ

そして、どんどん原発は再稼働を果たし優先給電ルールに従いソーラーの発電した電気はどんどん捨てられる。

「この国はじーちゃん・ばーちゃんがホント強いね。」