オーナーは結局どうするべきだったのか?

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思いもよらない事が日々発生する太陽光発電所の施工
この問題に対して、オーナーはどうすべきなのでしょうか?

嫌な思いをしたくなければ
オーナーも襟を正す必要があるでしょう。
しかし、襟のどのあたりを正すのか?
意識すればいいのかさっぱりわかりません。
そのあたりをちょっと考えてみようと思います。

■今起こっている事

・越境問題
・強度問題
・産廃問題
・日照問題

まずは、「越境問題」から考えてみたいと思います。

本来の発電所用地を超えて隣地に施工してしまった。
という問題ですね。
「それ、俺のせいなの?」とは思いますが、
それを言い出すと現状から何も変わりません。

さて、
契約時はラフなパネルレイアウト案での提案がありました。
こちらはパネルを選んだだけ。
特段何の問題もなかったはずです。
600坪に100kWパネルを設置するので、土地は
だいぶ余っていました。

用地の刈込と造成を行った際に、
土地に段差があることが発覚
パネルレイアウト案に修正が入り、再提案されています。

提出された修正版は契約時と条件が変わっていたので
契約時の条件でレイアウトするように
訂正依頼をこちらからしています。
ここも問題はなかったと思います。

ここからは想像ですが、
施工時に越境しているパネルアレイの逆端には
本来スクリューを打ち込む位置に産廃(伐採後の木)が
置かれていました。
ここを避けて施工したため、越境が発生したと思われます。

ここでオーナー側で何かできなかったか?を考えます。

1.問題認識はできていたか?

出勤前や帰宅後が殆どでしたが、
工事期間2週間の間に現場には5回立ちました。

しかしながら、越境という点を念頭に入れてみなければ
気づかなかったです。

北面の水路への越境というキーワードが
なければ、さらに発見が遅れていたかもしれないです。
→正直こんなことがあるとは想像もしていなかったです。

2.情報収集できなかったのか?
現場から直接オーナーに問題について連絡・相談が
入る人間関係を構築できなかったのか?

工事初日に終日休みを取るなど、現場の職人と
関係構築ができなかったのか?
→直接雇用関係があるわけでもなく、
都合の悪い相談がこちらにされるなど考えてもいなかった。

3.問題が発生しないような環境は作れなかったのか?

伐採から施工まで、1カ月程設計という工程があった。
伐採時に産廃が大量に出た事は分かっていた。
責任の所在と対応スケジュールを事前に
徹底させられなかったのか?
前工程未完了で工事を止めることができなかったのか?
→産廃を放置して施工が完了するなど考えてもいなかった。
→そもそも造成込みと聞いていたので、
こんな形で施工されるなど想像していなかった。
→放っておいても遅れる工程をこれ以上遅れさせ
られないと考えていた。

ここから分かる事

1.オーナーの油断・驕り

相手はプロだ!そんな下手なことをする訳がない。
自分に分からない所はプロに任せておけば安心だ!
そんな勝手な思い込みがこの問題を起こしています。

仮に越境で隣人から訴えられたとしたら被告席に立つのは私。
つまり、問題の責任はオーナーに帰するものです。

こちらは電力事業者ですから、知っていて然るべき、
指導できて然るべきです。

それなくして、全て相手に期待するのはちょっと間違っていますね。
プロがいないとは言いませんが、出会える可能性は殆どないでしょう。
つまりそもそもプロなんて存在しないのとほぼ同意です。

まず、心構えから直していかなければならないと考えました。

「相手は10年の歴史もあるかどうかわからない、
素人に毛が生えた程度の存在だと。」
「生き残りたければ、人を過度にあてにするな!
自分がプロになるために何をすべきか常に考えろ!」

2.工程のフェーズ毎に〆ないといけない。

まずは施工スケジュールを明確にさせる

結局この工事、スケジュールを再三要求しているにも関わらず
直前に工事開始日を知らされただけで、
いまだに連系予定日も工事残件もなにもわからない。
それを督促しているだけで、半ば諦めている。
ここがまずい。

相手がまともな対応ができていない事について
問題意識がありながら、解決まで導けていない。
担当者への督促だけでは生ぬるいということです。

次に、造成工程について問題を認識していたのだから
速やかに工事責任の所在について明確にし、
期限厳守で対応させなかったこちらの怠慢を是正
しなければいけませんでした。

3.施工初日(もしくは期間中)に現場に行く

1千万を超える額の工事です。下手したら家が買えます。
自分の本業勤務1日とどちらの重要性が本当に高いか?
もう一度考える機会だと思います。
少なくとも、現場担当がオーナーの顔が分かるように
することは、こちらができる対策と言えると思います。

4.完工検査を行う

この発電所ではまだ実施していませんが、
必ず実施する必要があります。

完工後ドキュメントは後日提出という慣習自体が
おかしいということを再認識する必要があります。

事前に「何を持ってこの工事が適切に完了しているか?」
を証明するのか、項目を明確にしておき。
すべて確認するまで完工を認めない。
この点についても再認識しなければいけません。

「とりあえず、連系できればいい」
こんなこちら側の考えが
これらの問題の原点となっているように
思われます。

他の3つの問題についても、
上記内容ですべて説明できるかと思います。
今後はこれらの部分の襟を正していきたいと思います。

まあ、これを突き詰めたら
EPCに依頼する意味は殆どなくなりますね。まあ、そういう事なんでしょう。

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コメント

  1. sam より:

    越境も法面の不安定な件も、シンプルにやり直しさせれば良いと思います。通常、お金の流れは工事前→中間金→完工後となりますが、現状は全額支払ったのでしょうか。

    それでも これはちょっと酷いですね。越境も深刻な問題ですが、法面の件も気になります。盛り土をする場合は土を固めて上から圧縮、固めて上から圧縮の繰り返しでそれ相応の盛り土造成が完成します。写真で拝見する限り隙間(空気)が多い様に感じます。

    最低20年間を耐えて貰わないといけないので心を鬼にして改善要求をしてみてはいかがでしょうか。

  2. gomashio より:

    samさん
    アドバイス頂きありがとうございます。

    この件は、まず担当者に「すぐに現場を見に行け!」といっています。
    この物件の建物部分は信販なので、僕が「よし」といわない限り決済されません。

    越境部の是正と(各部の地盤もしくは引き抜き強度報告)
    盛土部の基礎補強の提案&実施がないと決済をしない考えです。

    この記事は、未来や仲間に向けての内容としたつもりです。
    僕はこの担当営業を気に入って、いくつか物件を契約しています。
    その1発目ですので、こちらの業者への姿勢は重要ですよね。

  3. sam より:

    決済前で良かったです。確かに営業担当とも今後のお付き合いがあるのが悩ましい所ですよね。私も過去に造成が不十分と感じ、業者に是正を求めカチカチの造成に改善させました。言った者勝ちとは言いませんが、根拠を基に交渉すれば業者は動きます。ご存知の通り何も言わなければ動きません。www

    ごましおさんの問題定義通り、太陽光業者は新規参入が多く素人に毛が生えた輩が多い様に感じています。
    プライドだけは一丁前なんですけどねぇ〜
    普通の企業の常識が通用しない、ここ数年の太陽光バブルでお金を手にしてしまい初心を忘れた勘違い野郎の経営者が多いこと…
    本当に疲れますよね。

  4. gomashio より:

    コメントありがとうございます。
    こちらも全力で改善を依頼するつもりです。
    そうですね。今の業界についてはおもう事もいろいろありますね。
    そのあたり記事にしてみようと思います。