出力制御でのダメージを読む

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出力制御に関する記事がすごく注目度が高いので、もうちょっと事業者寄りの視点で書いて見ます。

以前の記事(関西から見る出力制御)で書いた、種子島と同等の想定の場合、発電量に約15%程度影響があると書きました。

九州本島がこれ以上の規模になるのかこれ以下の規模になるのか明確な解を持っている人はいないと思いますが、秋の段階で原発1基分(100万kW)の調整不能の余剰電力が発生している現在から見ると種子島レベル以上の抑制がかかってもおかしくない状況であることは容易に想像できます。

今現在は出力制御保険がありますので、損失は保険で賄えます。

しかしながら毎年必ず発生するレベルのものであれば、保険は成立しない、または非常に高額なものになると思います。かなり早い段階で価格の改定があると思われます。

さて、ここにごましおがたまに使う仮想の太陽光発電所を定義します。

いわゆる「分譲」を買った場合の1例ですね。

270Wパネルを256枚の69.12kW、パワコンは49.5kW

価格は1400万円(うち、200万は土地+造成費用)

連系負担金35万

監視装置40万円

土地登記費用10万円

シミュレーションはこの通り。

https://drive.google.com/open?id=1Zt5chHxYFmruAuRE_RgvYsd7XFH4IYWQ

こいつの20年想定売電量(年1%減衰考慮)の内訳を視覚化しました。

カモのエサグラフ

カモのエサグラフ

20年間の売電収入という砂山をベースに壮絶な砂取り合戦が繰り広げられます。

まず、販売店・施工店が設備代(土地代)を完工時にがっさりもって行きます。

次に、親方と自治体が税金、金融機関が利息を毎年きっちり持っていきます。

定期で保険、不定期でメンテ費用ががっさり持って行かれます。

あとは20年間頑張ったら、16%ほどのボーナスを5年分割で貰えます。

それまでの15年間は砂山の僅か3%を15分割したものを毎年貰えます。(残っていればな(笑))

出力制御が実施された場合は、円の全体が反時計回りで削られていく

砂山の砂が少なくなることを意味しています。

各位が持っていく砂の量は変わりません。

砂を15%持って行かれるということは、「15年目まで赤字」になります。

トータルのCFは売電収入の19%になるはずが、4%になります。

太陽光発電所を現金買いした方やある程度資金回収の目処がある方は、「痛い」で済むかもしれませんが、

投資物件ということでかなりの割合をローン/フルローンをされている方は死活問題になりかねないこの事件、「かぼちゃのソーラー」みたいな事にならなければ良いと思っています。

再エネを普及しようということでFITが始まり、先達のお陰で設備コストをだいぶ下げることができるようになりました。

しかしながら、その再エネ界で貢献してきた人達の一部が窮地に陥っています。

「これ、国は何もしないの??」

もし、出力制御が常態化するとしても、国は動かないのでしょうか?

梯子外してしまって良いものでしょうか?

FITの精神に反する事例の是正も大いに結構です、しかしIRR5%の前提が崩れるケースについては

逆に是正する責務があるのではないでしょうか。

ごましおは九州電力管区に太陽光発電所を所有している訳ではありませんが、記事を書くたびにすごく胸がざわつきます。

沖縄は良くわかりませんが、四国は伊方原発再稼動で九州と似たような状況になる可能性があります。

他のエリアもすごい勢いで太陽光が増えています。いつ何時九州と同じ状況になるかわかりません。

東京・中部・関西も低圧発電所は出力制御の適用外になっていますが、いつ範囲内になるかわかりませんし、高圧やメガソーラは出力制御されています。

低圧が制御されない保証は実はないのです。

皆さんの英知を結集して危機を乗り切りましょう。
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